第28回全国大会 韓国大会報告(2017年)

第28回全国大会 韓国大会報告(2017年)

第28回
1日目の会場「韓国国立樹木園」にて

1. 大会概要

 すげの会第28回全国大会(韓国大会)は、2017年6月3日(土)、4日(日)に、韓国国立樹木園で開催されました。日本から星野会長、勝山副会長をはじめ13名が参加し、韓国からもカヤツリグサ科植物を研究されている先生方がいらしてくださいました。仁川国際空港と金浦空港に昼頃集まり、約2時間かけて樹木園へ移動して研究発表会、野外観察会は、樹木園が管理するUNESCO保護地域で行いました。

 1日目の研究発表会は、日本から勝山さんと織田さん、韓国から樹木園のChoiさんとParkさんの発表の予定でした。ところが、勝山さんと織田さんの発表に対する情報提供や質問が相次ぎ、申し訳ないことに韓国側の発表時間が極端に少なくなってしまいました。樹木園の皆さんは、韓日同時通訳をつけられ、私たちがよりわかりやすく心を砕いてくださいました。大活躍だったのは、全南大学校のIm先生でした。突然の依頼にも関わらず、質問を翻訳、その答えをまたしても翻訳と、本当に助かりました。最初に日本語を日本語に翻訳(?)していることに気づかれず、会場一同大爆笑になったのは忘れられません。

 懇親会は、韓国側おすすめのサムギョプサルをビールと焼酎で!肉厚で脂のしたたる豚肉を焼きまくり(正しくは焼いてもらって)、サンチュとキムチを巻いて食す。今思い出してもよだれが出ます。最後のビビンパと冷麺の締めまで完璧でした。

 2日目の野外観察会は、ちょうど韓国の「山の日」で普段開放していない山道(私達の観察地)が開放されるとのことで渋滞が予想され、朝を早めに出発しました。観察地は、新潟県とほぼ同緯度でしたので、気温が22℃程度になっているのではとの心配はどこへやら当日は最高気温まさかの31℃!調査に集中できました。大勢の一般の方から何をしているか質問される場面があり、「朝鮮人参を取っているの?」と聞かれたときは”韓国に来ているなあ”と実感しました。
 約4時間の調査で、23種のスゲとヌマハリイを見つけることができました。標本は、樹木園で乾燥し、岡山理科大学へ送っていただく予定です。

 韓国大会に開催にあたっては、開催招致から準備にたずさわってくださった、中源大学校のチュン・キョンスク先生、韓日通訳で大活躍、全南大学校のイム・ヒョンタク先生、樹木園のヤン・ジョンチョルさんとキム・ヒョクジンさん、また樹木園の皆様に改めてお礼申し上げます。もちろん、2日通して私達について通訳をしてくださった日本語学科の学生さん達(キムくん、ユンくんとお友達)にも感謝申し上げます。

<韓国大会で配布されたもの>
・非売品の「韓国植物図解図鑑4 カヤツリグサ科 Illustrated Cyperaceae Korea」
*609ページの大作!
・すげの会大会要項
・木の芽ボールペン
・カラーハガキセット
・樹木園特製バック
・韓国大会特製Tシャツ(日本)
・スゲバック(日本)

2.大会日程

1日目(6月3日):研究発表会、懇親会、宿泊
 15:30 受付
 16:00 総会・研究発表会
 18:00 夕食、標本同定会
 20:00 ホテルへ移動
(会場) 韓国国立樹木園 Korea National Arboretum
 京畿道 抱川市 蘇屹邑 光陵樹木園路 415
 415 Gwangneungsoomokwon-ro, Soheul-eup, Pocheon-Si, Gyeonggi-Do 11186, South Korea

1日目(6月4日): 野外観察会 8:00-14:00
(観察地) 韓国国立樹木園の管理地
 韓国 京畿道 南楊州市 榛接邑 富坪里
 Bupyeong-ri, Jinjeop-eup Namyangju-si Gyeonggi-do, KOREA
 8:00 ホテル前集合
 13:00 昼食、スゲあわせ後、現地出発 
・帰国される方は現地から直接、仁川国際空港へ
・5日(月)まで滞在の方は、樹木園で標本作製、同定、標本乾燥

3日目(6月6日): 標本庫訪問または野外調査 9:00-14:00 *希望者対象

3. 記録したスゲ属植物(23種)

2017年6月4日調査地
韓国 京畿道 南楊州市 榛接邑 富坪里
Bupyeong-ri, Jinjeop-eup Namyangju-si Gyeonggi-do, KOREA

Google map (国立樹木園の右下あたり)
https://goo.gl/maps/oVbW5tj95kq

< 計 24 種 >*スゲだけだと23種
1 ウスイロスゲ Carex accrescens
2 エナシヒゴクサ Carex aphanolepsis
3 マツバスゲ Carex biwensis
4 ヤマジスゲ Carex bostrychostigma
5 カサスゲ Carex dispalata
6 Carex egena
7 タニガワスゲ Carex forficula
8 マスクサ Carex gibba
9 スナジスゲ Carex glabrescens(多少疑問残る)
10 ヒゴクサ Carex japonica
11 ヒメミコシガヤ Carex laevissima
12 ヒカゲスゲ Carex lanceolata
13 ヤマミコシガヤ Carex leiorhyncha
14 アオスゲ Carex leucochlora var. leucochlora
15 ヤガミスゲ Carex maackii
16 ゴウソ Carex maximowiczii var. maximowiczii
17 ミコシガヤ Carex neurocarpa
18 ヒカゲハリスゲ Carex onoei or Carex capillacea
19 シロホンモンジスゲ Carex polyschoena
20 Carex pseudochinensis
21 イトアオアスゲ Carex puberula
22 カミカワスゲ Carex sabynensis var. sabynensis
23 タガネソウ Carex siderosticta
24 ヌマハリイ Eleocharis mamillata var. cyclocarpa

正木智美(岡山理科大学)

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