第32回 長野大会報告(2023年7月)

すげの会第32回全国大会は、2023年7月8日(土)・9日(日)に白馬五竜高山植物園(長野県北安曇郡白馬村)で開催されました。長野県での開催は第10回全国大会(1999年6月)以来です。新型コロナウィルスの影響で、2019年の第30回愛媛大会以降、全国大会は中止になっていましたので、4年ぶりに開催されました。
日程
2023年7月8日(土)
会場:白馬五竜高山植物園 エスカルプラザ2Fレストラン
12:30—13:25 受付
13:30—13:35 開会の挨拶(星野卓二・岡山理科大学/すげの会会長)
13:35—13:40 大会実行委員長の挨拶(坪井勇人・白馬五竜高山植物園責任者)
13:40—15:00 研究発表会
1) コジュズスゲの分類学的研究(髙橋晃太郎・京都大学大学院)
2) 日本産絶滅危惧スゲ属の現状(矢野興一・岡山理科大学)
3) 白馬五竜高山植物園における絶滅危惧種の域外保全活動(坪井勇人)
4) 東南アジアのカヤツリグサ植物と日本にゆかりのある植物(髙島路久)
15:00—15:20 休憩
15:20—15:30 記念撮影
15:30—16:30 総会
1) 会長挨拶(星野)
2) 議長選出(千葉・すげの会評議委員)
3) 2022年度会員異動報告(矢野・すげの会庶務幹事 兼 会計幹事)
4) 2022年度事業報告(矢野)
5) 2022年度会計報告(矢野)
6) 2022年度会計監査報告(矢野)
7) 会費未納者について(矢野)
8) 2023年度予算案(矢野)
9) 2023年度事業計画案(矢野)
10) 次期役員改選議案(矢野)
11) 投稿規定改訂議案(池田博・すげの会編集委員長)
12) 莎草研究(会報)PDF公開について(池田)
13) その他報告事項等(矢野)
*報告・議案などの総会承認事項はすべて承認されました。
16:30—16:45 案内(ホテル、明日の説明等)
宿泊:白馬パークホテル
16:45- ホテルへ移動
18:00- 夕食および懇談、標本同定等
2023年7月9日(日)野外観察会
会場:白馬五竜高山植物園、アルプス平自然遊歩道
8:30 白馬五竜高山植物園エスカルプラザ 集合
8:30-12:30 野外観察
今回観察されたカヤツリグサ科
・スゲ属センジョウスゲ(栽培株)、マンシュウクロカワスゲ?(栽培株)、ヌイオスゲ(栽培株)、ヒメスゲ(栽培株)、シロウマスゲ(地植え栽培)、アズマナルコ(地植え栽培)、ショウジョウスゲ、コタヌキラン、ウスイロオクノカンスゲ、カワズスゲ、コハリスゲ、タヌキラン、ミノボロスゲ、ナガエスゲ、オオカワズスゲ
・スゲ属以外のカヤツリグサ科 ミヤマホタルイ、ワタスゲ、アブラガヤsp.
今回、全国から約30名の会員が参加され、4年ぶりの大会ということもあり、大いに盛りあがりました。研究発表会ではそれぞれ、ここ最近の研究や調査活動について発表されました。1日目の会場では、白馬五竜高山植物園にて生息域外保全をしているセンジョウスゲの栽培株(一般公開していない)が観察でき、非常に貴重なスゲを間近でみることができ、しかも花穂の写真まで撮影することができました。久しぶりに対面で行われた総会では、すげの会もこれからの時代に対応していく議論もなされたりしました。また、宿泊は白馬五竜観光協会様、白馬パークホテル(モンブラン白馬)様のご協力のもと、すげの会のために貸し切っていただきました。ありがとうございました。
2日目は、リフトを利用して、標高1500m地点に行き、小雨から曇りのなか、白馬五竜高山植物園坪井氏の案内のもと観察会を行いました。まずは、シロウマスゲを観察しました。その後、園内やアルプス平自然遊歩道にて、自生しているスゲ属を始め、蛇紋岩に生育している植物、日本海要素の植物、高山帯の植物など、普段容易に見ることができない多くの貴重な植物を観察しました。すげの会観察会と植物園ならでの観察会の両方を楽しめました。
今回、すげの会第32回全国大会を無事に開催・終了できましたのは、(株)五竜 白馬五竜高山植物園の皆様、白馬五竜観光協会様、白馬パークホテル(モンブラン白馬)様、および参加者の皆様のご協力があったからです。この場を借りてお礼申しあげます。
(大会実行委員:坪井勇人、矢野興一、大西亘)
今回のすげの会様子は、白馬五竜高山植物園のブログに掲載されています。
https://www.hakubaescal.com/shokubutsuen/green/2023/8165
今回観察できたシロウマスゲについては、星野会長のホームーページに掲載されています。
http://hoshinolab.main.jp/labo/colorzukan/sugezk/sagyo/sirouma/shirouma.htm