第2回全国大会 岡山大会報告(1991年)

第2回全国大会 岡山大会報告(1991年)

第2回大会
岡山理大蒜山学舎前にて

 「すげの会」第2回全国大会が1991年6月1~2日に岡山県真庭郡にある岡山理科大学蒜山研究所で開催された。交通の便が悪いにも関わらず45名の参加者があった。参加者全員が研究所に宿泊し、夜遅くまで熱心な意見交換があり、盛会であった。

 6月1日(土)研修会・総会・講演会
  13:00~14:00 研修会
        「岡山県産テンツキ属とスゲ属の観察と分類実習」
        担当:安原清隆(岡山大・工)
   岡山県産のクロテンツキ、メアゼテンツキ、オオムギスゲ、クサスゲ、オオナキリスゲの標本が参加者全員に配られ、外部形態の特徴をわかりやすく説明された。

  14:20~14:50 総会
   平成2年度の会計報告と平成3年度の事業計画が提案され了承された。また、平成4年度の全国大会は東京大学総合研究資料館の大場先生にお世話いただくことになった。

  15:00~17:30 講演会
1.スゲとその近縁属
    大場秀章(東大・総合研究資料館)
2.日本産アオガヤツリ類の分類
    野口達也(栃木県宇都宮市)
3.大山の植物
    清水寛厚(鳥取大・教育)
4.岡山の植物探索史
    西原禮之助(岡山市文化財保護審議会会長)

  18:00~20:00
  講演会終了後、蒜山研究所の隣の焼肉レストラン「春山荘」に全員移動し、福島県より参加された斎藤氏の乾杯の音頭で懇親会に入った。岡山の西原氏より厳守と自家製の奈良漬けの差入れや、参加者の歌や隠し芸も出て会場は大変盛り上がった。
 懇親会終了後、大場先生より中国崑崙山脈のスライド上映があった。参加者のほとんどが研修室に集まり、アジア中央大陸の広大な草原の写真に見とれ時間の経つのも忘れるほどであった。

 6月2日(日) 野外観察会
  昨日とはうってかわり、朝から蒜山は大雨であった。当初予定していた大山の麓の渓谷での野外観察会は不可能になった。急きょ、蒜山研究所近くの明連谷に観察地を変更した。
   9:30 自家用車に分乗して、研究所を出発。大雨にもかかわらず参加者全員が熱心にスゲ属植物の生育状態の観察を行った。
  12:30 蒜山学舎で昼食、標本の整理を行なった後、解散。

野外で見られたカヤツリグサ科植物(記録:安原)
 観察地:岡山県真庭郡川上村明連谷 5万分の1地形図湯本-1 
      標高580-600m

 スゲ属:エナシヒゴクサ、イトアオスゲ、ハリガネスゲ、アゼナルコ、カサスゲ、ビロードスゲ、オクノカンスゲ、ヤマアゼスゲ、カワラスゲ、ジュズスゲ、ヒゴクサ、ゴウソ、ホシナシゴウソ、ヒメシラスゲ、ミヤマカンスゲ、ツクシミノボロスゲ、ミヤマシラスゲ、ヤチカワズスゲ、オタルスゲ、ヒメゴウソ、アズマナルコ、タガネソウ、アゼスゲ

 ハリイ属:ヌマハリイ
 観察地:明連谷以外の川上村
 ミヤマジュズスゲ、ヤマジスゲ、タニガワスゲ、キンキカサスゲ、コジュズスゲ、ヒカゲスゲ、アオスゲ、ニシノホンモンジスゲ、ヤマテキリスゲ

おわりに
 蒜山での岡山大会には北は福島県、南は九州から多くの会員の皆様のご参加をいただき誠にありがとうございました。また、蒜山研究所を使用するにあたって、いろいろお世話になった岡山理科大学蒜山研究所の西村先生に感謝いたします。

(星野卓二)

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