第23回全国大会 宮崎大会報告(2012年)

第23回全国大会 宮崎大会報告(2012年)

第23回大会
於 家田湿原にて

はじめに

 すげの会第23回全国大会は,2012年5月3日(木),4日(金)に宮崎県延岡市で開催され、北は岩手県から南は開催地の宮崎県まで全国から総数42名の参加者がありました。総会・研究発表会・宿泊はJR延岡駅前のシティホテルプラザ延岡、観察会は貸し切りバスと自家用車3台に分乗し、宮崎県北部の門川町と延岡市周辺で実施しました。

日程

5月3日(木)
12:00-13:15 受付
13:15-13:45 総会
1.会長挨拶(星野)
2.会員異動(正木)
3.平成23年度事業報告(正木)
4.平成23年度会計報告(正木)
5.平成24年度事業計画案(正木)
6.平成24年度予算案(正木)
7.その他
*会計監査などの案件がすべて了承された。 

14:00-17:00 研究発表会 
・ ヤガミスゲ節の日本新産帰化植物
  勝山輝男(神奈川県立生命の星・地球博物館) 
・アリによるスゲ属植物の種子散布
  星野卓二(岡山理科大学)
・ スゲ属ヌカスゲ節の分子系統学的研究
  正木智美(岡山理科大学)
・群馬県レッドデータブック改訂版に掲載されたカヤツリグサ科植物
  大森威宏(群馬県立自然史博物館) 
・奇妙な種内倍数性を示すオトコエシ (Patrinia villosa (Thunb.) Juss.)に関する細胞地理学的解析 
  池田 博(東京大学総合研究博物館) 
・スゲの雑種2事例とシカクホタルイの事例における相違点  
  織田二郎(京都大学総合博物館)
・川坂・家田湿原の植物
  成迫平五郎(聖心ウルスラ学園) 
・宮崎大会にて観察予定のスゲ属植物
  黒木秀一(宮崎県教育庁文化財課)

17:30~21:30 夕食
18:50~19:50 講演会「九州島の植物」 南谷忠志(宮崎植物研究会)
20:00~21:30 標本同定会

5月4日(金)
6:30~    朝食・出発準備
8:00~14:50 観察会
コース:門川町小切畑~門川町川内~門川町松瀬~北方町(トイレ休憩)~延岡市城山~延岡市熊野江~家田湿原
15:00     解散   

○確認された主なスゲ属植物
 門川町小切畑 ミセンアオスゲ、ヌカスゲ、ヒメカンスゲ、ノゲヌカスゲ、タイワンスゲ
 門川町川内 ヤワラミヤマカンスゲ、タイワンスゲ、イワカンスゲ、アオスゲ、メアオスゲ、ヒメカンスゲ
 門川町松瀬 オオカワズスゲ、ホナガヒメゴウソ、タイワンスゲ、ゴウソ、メアオスゲ、アオスゲ、タチスゲ、シラスゲ、ヤワラスゲ、カサスゲ
 延岡市城山 キノクニスゲ、メアオスゲ
 延岡市熊野江 ツクシナルコ、ベンケイヤワラスゲ、ヤワラスゲ、シラスゲ、オキナワジュズスゲ、マスクサ、タチスゲ、ヒゴクサ、アオスゲ
 延岡市家田湿原 ウマスゲ、コジュズスゲ、オニナルコスゲ、カサスゲ、ハタベカンガレイ、マスクサ、アゼナルコ、ノゲヌカスゲ、ヤワラスゲ

本大会は天候にも恵まれ、熱中症が心配されるほどの暑さでしたが、無事に終了することができました。観察会では、ヤワラミヤマカンスゲなどの南九州特産種やタイワンスゲ、キノクニスゲなどの南方系のスゲの観察、宮崎県初記録となったベンケイヤワラスゲの出現、九州唯一となるオオカワズスゲの保全について現地での意見交換など大変有意義な大会となりました。

前日までの雨で川が増水し、ハタベカンガレイなど近づけない観察ポイントもありましたが、予定していた植物は観察していただくことができました。

開催にあたっては宮崎植物研究会の成迫平五郎氏には観察地の選定から下見など大変お世話になりました。また、講演を引き受けていただいた南谷会長をはじめ、会員の皆さんにも会場でのお世話や観察会の現地でのサポートをしていただきました。厚く御礼申し上げます。

(黒木秀一:大会実行委員長)

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